通常学級でのiPad活用について2(PDF配布中「インクルーシブ教育と合理的配慮説明資料」)(再掲)
この記事はiPadと学習支援からコチラに移動した記事です。
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はじめに
なぜこの資料を作成したのか理由については前記事 ↓をご覧下さい。
この資料は実は3ページ目~を先に書いていて、唐突すぎるからという理由で経緯の説明として1~2ページ目を書いています。特に伝えたかったのは3ページ以降と頭の片隅に入れた状態で読んで頂けるとありがたいです。
この「インクルーシブ教育と合理的配慮説明資料」では、書き切れなかったことが結構ありました。以後、一枚ずつ補足説明を行っていきたいと思います。尚、この補足説明には私見が多分に含まれております。ご了承下さい。
特別支援教育の現在
「特別支援教育の現在」とありますが、ここには副題として「通常学級におけるアクセシブルデザインの必要性」と付けようと思っていました。(レイアウトの関係上書いていませんが)
伝えたかったのは、学習支援は今や支援学校や特別学級だけではなく、通常学級にも求められる時代になったということです。
アクセシブルデザイン:障害のある人もない人も、高齢者もそうでない人も、ともに使いやすい「共用のデザイン」
国際的な動向と国内の動向
ここでは、日本がインクルーシブ教育システムの構築や合理的配慮の提供を推進するに至った過程として、
- 「障がい」とは何なのか、今世界ではこのように定義されている
- 日本でもその流れに乗って法整備が進んでいる
ことを説明しています。
かなりざっくり流れを説明すると、
まず、WHO(世界保健機関)は障がいの状態を「人それぞれの環境や個性に応じて決定するもの」、つまり「絶対的なものではなく相対的なものである」と定義しました。
その流れに乗っかって作られたのが「障害者の権利に関する条約」です。
※外務省の資料によると2014年の段階で151ヶ国、地域、機関が署名しているようですね。
障害者の権利に関する条約(略称:障害者権利条約) | 外務省
日本も「障害者の権利に関する条約」に調印したため、この世界基準に合わせた国づくり(法律づくり)を行っていく必要があります。
※日本は憲法>条約>法律という力関係になっている国です。条約が憲法に反するものではない場合、条約に合わせて法律をつくっていかなければなりません。
そして「障害者差別解消法」(「不当な差別行為の禁止」と「合理的配慮の義務化」)が制定されました。
ということになります。
インクルーシブ教育とは
このページではインクルーシブ教育の意味や考え方、行うことによるメリットについての説明を書いています。
説明用に使わせて頂いた画像ですが、一時期facebookで拡散されていた有名な画像です。本当の元ネタは恐らくインドなのですが、削除されていた様だったので、今回はアメリカオレゴン州ポートランドのHPから引用させて頂きました。
余談:教育現場におけるインクルーシブ教育システムについて
通常の学校では「国内の動向」のページにある参考3のようなインクルーシブ教育システムをつくられているところが多い気がします。
ただ、学校によってはコーディネーターが他の役職を複数兼任していることもあるらしく、その場合この図式ではコーディネーターにかなりの負担がかかります。
そのため、ある学校はその対策として、
- 担任の教員が特定の生徒について2~3人の先生(Notコーディネーター)に相談
- その2~3人の教員が緊急性の高い生徒から順にコーディネーターに相談
というように常に複数人体制でやっているそうです。
こういった「学級担任やコーディネーターなど一人に負担が集中しない」システム構築が上手くいっている学校は、学校全体で共通理解を図っていることもあり、支援がスムーズに進む傾向にあります。
一人一人の負担を減らすことは、安定したより良い学校運営にも繋がります。
国が「システムの構築」を訴えているのはそういった理由も含まれているんじゃないかと(勝手に)解釈しています。
合理的配慮とは
前記事でも紹介しましたが、
合理的配慮とは、『障がいのある子どもが、他の子どもと平等に教育を受ける権利を共有・行使することを確保するために、学校の設置者及び学校が必要かつ適当な変更調整を行うこと』ことを指します。
今のところあまり報道されていない様ですが、平成28年4月から合理的配慮の提供が義務化されるというのは本当です。
本人・保護者から「(学校側に)あまり負担がかからない、こういう支援をして欲しい」という妥当な要求があって、それに理由なく応じない場合、裁判に発展する可能性があります。
また、民間事業者(私立学校)の場合は努力義務になっていますが、
障害者差別解消法リーフレット - 内閣府のQ&Aを読むと、
『民間事業者の事業を担当する大臣から、事業者に対して報告徴収、助言・指導、勧告を行うことができます。』
と書かれてあることから、合理的配慮の求めに応じない場合、行政指導が入る可能性があります。
合理的配慮の例一覧
このページでは合理的配慮とはどのような行為を指すのか、例一覧を載せています。
ここに書いてある例一覧は、別紙2 「合理的配慮」の例:文部科学省をコピペしたものです。合理的配慮はつまりどういうことなのか?という疑問に対して、包括的かつ的確に答えている文面だと思ったため引用させて頂きました。
個人的には共通の下から二番目にある『ICT機器等の利用』に着目して頂きたいです。ここから、
などの行為も合理的配慮にあたると思われます。
さらにより詳しい具体例を知りたい方は、インクルDB ↓ や、
その他関連資料で紹介しているPDFをご覧下さい。
最後に
ここまでお付き合い頂き本当にありがとうございました。<(_ _*)>
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