通常学級でのiPad活用について1(「インクルーシブ教育と合理的配慮説明資料」を作成した理由)(再掲)
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皆さんはインクルーシブ教育と合理的配慮についてご存知ですか?
インクルーシブ教育とは
障がいのある子どもと障がいのない子どもが「できるだけ同じ場で共に学ぶこと」を目指す教育のことです。
合理的配慮とは
障がいのある子どもが、他の子どもと平等に「教育を受ける権利」を共有・行使することを確保するために、学校の設置者及び学校が「必要かつ適当な変更調整を行うこと」です。
ここのところ、このインクルーシブ教育と合理的配慮の考え方を知っているか知らないかで、学習支援としてiPadなどのICT機器を使用することに、かなり認識の違いがあるのかなと思う出来事がいくつかありました。
ある方から聞いた話では、生徒が学習支援としてタブレット端末を学校で使用する様子を見た(他の生徒の)保護者が、「学校で禁止されている物(タブレット端末)を使っているが駄目じゃないのか」というようなことをおっしゃっていたそうです。
また、別の方から聞いた話ですが、保護者が教員にICT機器の使用を提案したところ、「そういう支援が必要なのはこの生徒だけじゃない。一人に許可を出すと他の子にも許可を出さないといけなくなるから許可できない。」と断られたそうです。
こういった認識は時代が変化するとともにこれから徐々に変わっていくと思われますが、今まさにその過度期にいる子供たちは、肩身の狭い思いをしているのかもしれません。
少しでも早くその様な子供たちの周りの認識が優しくなる様に、草の根運動の一環として説明資料を作成しようと思いました。
これが一つ目の理由です。
もう一つの理由は、今後、iPadによる学習支援を一つの選択肢として、少しでもご提案しやすくなる環境をつくりたいということです。
障害者手帳がないため障害者枠での就職はできない、でも支援が必要な方や、手帳を持っていても、ある程度の支援や配慮があれば自立できる方は結構いらっしゃいます。
そのような方々にとって、様々な人々と共に過ごす学生時代に多くの支援方法を試し、自分なりのやり方を掴んでいくことはとても重要なことだと思います。
「あの方法はできないけど、この方法であれば自分にもできる」という共同生活の中での実感の積み重ねが自己肯定感を高め、社会に出ても生きていける力が身につくと思うからです。
その、「自分にもできる」方法の一つとして期待されているのがiPadなどのICT機器の活用です。
具体的な利用例を挙げるとすれば、以下のような状況が考えられます。
漢字の読み書きに困難さのある方
iPadを使って、
ことで、漢字を読めなくても内容を把握することができます。
また、音声入力機能を使うことで、書くことができなくても文章として記録することが出来ます。
緘黙や身体的な理由により話すことに困難さのある方
- 音声付き絵カードアプリ
- 定型文一覧があり、文を押すと音声が流れるアプリ
などで考えを表すことができます。
スクールサポーターや学習支援員は、大学生、社会人になったら支援の提供を依頼できなくなりますが、iPadは大学生、社会人になってからも使い続けることが出来ます。
長期的な見方をしたとき、選択肢の一つとしてICT機器の活用方法を知っておくことは決して損にはならないと思います。
そのためにも、これから活用を考えている本人保護者が、学習支援として気軽に導入しやすい環境をつくるということは大切なことです。
そこで今回、その環境づくりに向けて、合理的配慮の考え方があまり浸透していない通常学級の先生方、保護者の方々に向けての説明資料を作成しました。
- 日本でもインクルーシブ教育システムの構築が推進されています
- 来年4月から合理的配慮が義務化されます
- 合理的配慮の中にはICT機器(iPadなど)の活用も含まれています
- 今後通常学級でのICT機器による学習支援を認めることが一般的な社会になります
というところを何となく汲み取って下さると嬉しいです。
主軸は中教審報告や文部科学省HPですが、できるだけ堅すぎず分かりやすくをテーマに書いていったため、多少フィルターがかかっているかもしれません、それについてはご了承下さい。
資料のダウンロードや内容については次記事 ↓ に記載しています。